F.M.アレクサンダーが発見したテクニークです。

 F.M.アレクサンダーは舞台俳優でした。舞台俳優として成功していましたが、舞台で朗唱していると声が枯れてしまうというトラブルに見舞われました。医者など医療関係者の助言を求めましたが、声を休めることを勧められるだけでした。声を休めれば改善はするものの、再度舞台に立って朗唱すると声は枯れてしまいました。

 

そこで、舞台で朗唱する時にしてしまっている何かをやめれば、声枯れは改善するのではないかと考えました。そして、鏡の前に立ち自己観察のワークを始めました。何ヶ月も何年もの時間を費やし、頭・首・背中の関係性に着目してある機能を発見しました。人並み外れた努力の結果、その機能を妨げるような自分の使い方を防ぐことで、声枯れだけでなく、健康面全般の改善がみられることがわかりました。

自分自身の反応(行動)を無意識で反射的なものから意識的でりせ理性的なものへ変えていきます。
 人の行動は、良くも悪くも習慣化する側面があります。そして、過去の経験や記憶の蓄積や周囲の環境の影響などにより、無意識のうちに癖として身についています。アレクサンダーテクニークでは、この自分の癖や傾向について身体的・精神的に認識することを促しながら、頭・首・背中の関係性を中心にした機能に沿って反応していくことを学ぶことで、自分で意識的に活動の在り方を選択していくものです。
縮めるのではなく拡がるように、弛緩するだけではなく適切な緊張。
 体にアプローチするものの中には、筋力トレーニングのように縮める方向へ働きかけるものや、リラクゼーションのようにとことん柔らげるようなものがあると思います。
治療として受けるテクニックの中には、牽引といった方法を使って、外力を受けることによって拡げられていくものがありますが、からだにとって必要なことは、自ら拡がるということです。
そして、アレクサンダーテクニークが良しとしているのは、適切な緊張です。体や心も含めて、縮めるのではなく拡がるような方向へ、機能が萎縮するのではなく伸び伸びと働けるようになることを目的としていきます。
​重力が働いている以上、弛緩しすぎているのであれば、そこは重荷となってしまい他の部分で補って支える必要性が出てきてしまい、全体的なバランスとしては不安定な状態になってしまいます。
ハンズオンというテクニックを使って体験してもらいます。
 アレクサンダーテクニークで体験する頭・首・背中を中心とした全身での在り方は、全く新しい体感となります。そのため、ハンズオンという教師の手を使って生徒に触れることで、認識を促したり機能が働くようにしていきます。教師は生徒へ伝えることができるように、自分自身を機能的に使うことで、教師の手を通して生徒へ伝えるように向き合っていきます。加えて、解剖学的な知識なども交えて、人の機能についての理解を深めるために、視覚的・聴覚的な情報も踏まえてレッスンしていきます。
どんなことをするの?
 アレクサンダーテクニークにはプロシージャー(課題)というものがあります。その中には、仰向けに横たわってワークするものもあれば、椅子を使って立ち上がる・座るといった日常的な動作を取り入れたものもあります。他にもいくつかプロシージャーがありますが、何をするにしても、行動(反応)するときの自分の傾向に向き合うということと、誤った使い方をやめることで頭・首・背中を中心とした機能がしっかりと働くことを体感してもらいます。それは、軽くて安定していてバランスが取れていて呼吸が楽になって、自分の全体の健康状態が良くなっていると感じられるものです。
サー・チャールズ・シェリントン(1857-1952)生理学者(ノーベル生理学・医学賞受)
 アレクサンダーテクニークは、それぞれの行動が、統合された個人全体、心身的なその人全体によって行われる者として扱い続けることで、この分野に貢献した。
一歩を踏み出すということは、こちらの足やそちらの足を動かしただけですむような出来事ではなく、その瞬間における、少なくとも頭と首を含む、全体的な神経筋肉的な動きである。
ジョージ・コグヒル (1872 – 1941)生物・自然学者
 アレクサンダーテクニークの方法論は、個人を、全体として、そして自己活性化する存在として扱う。
彼は、反射メカニズムを修復し再教育し、習慣を有機体全体の機能との関係性において、正常なものにする。
私は、この方法論を、完全に科学的で学術的に確かな物として考える。
ニコラス・ティンバーゲン(1907−1988)動物行動学者(ノーベル生理学・医学賞受)
 私は、アレクサンダーテクニークを、高度に洗練されたリハビリテーションの一つとして推薦する。
個人的な体験から、我々は、アレクサンダー氏や彼の支持者が主張していることを確認できる。
それは、体の筋肉組織に違うように機能することを教えることで、様々な精神的および肉体的な機能低下や病気を、時には驚くべき度合いで、軽減することが可能であるということである。
我々はすでに驚きをもって、高血圧、呼吸、眠りの深さ、全体的な機嫌の良さと意識の明晰さ、外的プレッシャーからの回復力、そして楽器を演奏するなどの洗練されたスキル、などの多様な分野において、驚異的な改善が起こっていることを知らされている。